アカデミック 2023.5.4
ARTICLE. 34 「痛みに対するリハビリテーション (2)」
UMICAHI訪問看護リハビリステーションがお伝えする
在宅看護・在宅リハビリテーションを提供するうえで、役に立つかもしれない最新情報や知識を共有する「ARTICLE」
今回テーマは「痛みに対するリハビリテーション (2)」
痛みに対する運動療法の効果に関する論文をもう一つ紹介します。
Hayden et al. (2021) は多くの論文よりシステマティックレビューを行い、12週間以上の非特異的な腰痛を有する対象者 (20,969名の参加者と507の治療群を対象とした217の無作為化対照試験が含まれる) にどのような運動療法が効果的であるのかを調査しました。
その結果、ほとんどの種類の運動は、痛みや機能制限に対する最低限の治療よりも効果的で、特にピラティスやマッケンジー療法 (詳細は別著に譲る)、柔軟体操などがより多くの効果を示していたことを報告しています。
しかしながら、著者らは慢性腰痛のある人は、アドヒアランス、すなわち、対象者自身が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に沿った治療を受けることを促進するために、対象者が楽しめる運動を行うよう奨励されるべきであると述べています。
したがって、慢性痛を改善するためには、対象者の積極性 (積極性をどのように引き出すのかも含めて) が大切かもしれません。
参考文献
Hayden, J. A., Ellis, J., Ogilvie, R., Stewart, S. A., Bagg, M. K., Stanojevic, S., …P., Saragiotto, B. T. (2021). Some types of exercise are more effective than others in people with chronic low back pain: a network meta-analysis. Journal of Physiotherapy, 67, 252-262.