ARTICLE. 37 「バーチャルリアリティと自己身体」|UMICAHI JOURNAL|熊本市の訪問看護・リハビリ・介護ステーション|UMICAHI(ウミカヒ)

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アカデミック 2023.5.22

ARTICLE. 37 「バーチャルリアリティと自己身体」

UMICAHI訪問看護リハビリステーションがお伝えする

在宅看護・在宅リハビリテーションを提供するうえで、役に立つかもしれない最新情報や知識を共有する「ARTICLE」

 

 

今回テーマは「バーチャルリアリティと自己身体」

 

 

バーチャルリアリティ (Virtual Reality: VR) は没入感 (VRの映像や音に集中して、まるでその世界にいるような感覚) に優れているといわれていますが、没入型VRがヒトの身体や認知機能にどれほどの影響を与えるのでしょうか。

 

Burin & Kawashima (2021) は、健常な高齢者42(平均年齢71.71) を対象に没入型VRトレーニングの効果を調べる研究を行っています。

彼らは、実験参加高齢者を半分に分け、一方の群には一人称視点 (自分の身体から世界を見ているような視点) VR、もう一方の群には三人称視点 (他者の身体を外から見ているような視点) VRを用いて、座った状態で20分間の運動観察 (早歩きやゆっくりした歩行が繰り返される) を行わせました。

これを週2回、6週間繰り返した結果、全介入終了後には一人称視点のVRトレーニングを行った群のみ、実行機能やワーキングメモリを測定できるストループ課題時の左背外側前頭前野の活動が増加し、課題遂行時間も速くなったことが分かりました。

 

この結果は、没入感のある一人称VRの長期介入は,認知機能や脳活動に変化を与える可能性を示しており、VRが高齢者のトレーニングに有効であることを示唆しています。

 

 

参考文献

    Burin, D., & Kawashima, R. (2021). Repeated Exposure to Illusory Sense of Body Ownership and Agency Over a Moving Virtual Body Improves Executive Functioning and Increases Prefrontal Cortex Activity in the Elderly. Frontiers in Human Neuroscience, 15, 674326. doi: 10.3389/fnhum.2021.674326.

 

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