ARTICLE. 38 「バーチャルリアリティとリハビリテーション (1)」|UMICAHI JOURNAL|熊本市の訪問看護・リハビリ・介護ステーション|UMICAHI(ウミカヒ)

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アカデミック 2023.5.29

ARTICLE. 38 「バーチャルリアリティとリハビリテーション (1)」

UMICAHI訪問看護リハビリステーションがお伝えする

在宅看護・在宅リハビリテーションを提供するうえで、役に立つかもしれない最新情報や知識を共有する「ARTICLE」

 

 

今回テーマは「バーチャルリアリティとリハビリテーション (1)」

 

 

リハビリテーション介入の一手段として注目されているバーチャルリアリティ (virtual reality: VR) を用いた訓練は、本当に効果があるのでしょうか?

 

de Rooij et al. (2016) のシステマティックレビュー研究では、2015年までに多くのVR研究 (398の論文) が報告されており、その中からランダム化比較試験を中心に質の高い21の研究論文を対象に調査した結果、VRを用いた介入はそうでない場合 (VRのない介入) と比較して、脳卒中既往者の歩行機能やバランス能力の回復に効果的であることを示唆しています。

加えて今後の課題として、フォローアップ期間やサンプル数を増やして,効果を検討する必要性も述べています。

 

一方で、Laver et al. (2017) のシステマティックレビューにおいては、VRを用いた介入と従来の療法を用いた介入を比較した結果、脳卒中既往者の上肢機能の改善に有意差はみられなかったことが報告されています。さらに、VR介入は通常のケアの補助として使用した場合に、上肢機能と日常生活動作の回復を促進する可能性を示しています。

 

これらの結果を踏まえると、VR介入の効果は部位 (上肢もしくは下肢) による違いや個人差があることが示唆されます。

 

 

参考文献

    de Rooij, I. J., van de Port, I. G., & Meijer, J. G. (2016). Effect of Virtual Reality Training on Balance and Gait Ability in Patients With Stroke: Systematic Review and Meta-Analysis. Physical Therapy, 96, 1905-1918. 

    Laver, K. E., Lange, B., George, S., Deutsch, J. E., Saposnik, G., & Crotty, M. (2017). Virtual reality for stroke rehabilitation. Cochrane Database of Systematic Reviews, 11, CD008349. doi: 10.1002/14651858.CD008349.pub4. 

 

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