アカデミック 2022.8.29
ARTICLE. 18 「訪問リハビリテーションの効果 (1)」
UMICAHI訪問看護リハビリステーションがお伝えする
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「ARTICLE 」
今回テーマは「訪問リハビリテーションの効果 (1)」
退院後の早期在宅リハビリテーションは生活の質を向上し、治療費の軽減にも繋がることが明らかにされています。
少し古い論文ですが、Rasmussen et al. (2016) は入院に対する早期在宅リハビリテーションの介入効果を調べる目的で、71名の脳卒中既往者をランダムに振り分け、一方の群 (介入群: 31名) には入院中の治療やリハビリテーションの一部を最大4週間在宅に切り替え、在宅でのリハビリテーションを実施。もう一方の群 (対照群: 30名) には入院での脳卒中治療ガイドラインに従った通常の治療とリハビリテーションを継続して実施しました。
その結果、早期在宅リハビリテーションを実施した介入群では対照群と比較して、障害の重症度 (modified Rankin Scale; mRS) が軽減し、生活の質 (EuroQol-5D) も改善しました。さらに、在宅トレーニング時間の長い個人ほど、障害の改善効果も大きいことが明らかにされました。
この研究では、介入群の治療費の総コストも標準治療と比較して低いことが報告されており、入院治療に代わる早期在宅リハビリテーションは効果的であることが示唆されます。
参考文献
Rasmussen, R.S., Østergaard, A., Kjær, P., Skerris, A., Skou, C., Christoffersen, J., …Overgaard, K. (2016) Stroke rehabilitation at home before and after discharge reduced disability and improved quality of life: a randomised controlled trial. Clinical Rehabilitation, 30, 225-236.