アカデミック 2022.9.12
ARTICLE. 20 「訪問リハビリテーションの効果 (3)」
UMICAHI訪問看護リハビリステーションがお伝えする
在宅看護・在宅リハビリテーションを提供するうえで、役に立つかもしれない最新情報や知識を共有する
「ARTICLE 」
今回テーマは「訪問リハビリテーションの効果 (3)」
在宅リハビリテーションの介入効果を示した論文は数多くあります。
Chen et al. (2018) は、在宅心臓リハビリテーションの効果を調べるために、慢性心不全患者を対象とした研究を行っています。
彼らは、計37名の心不全患者を介入群19名と対照群18名に分け、介入群では在宅での心臓リハビリテーション、食事指導、日常生活動作の調整、自主訓練プログラムを3ヵ月実施しました。その結果、在宅リハビリテーションを実施した介入群は対照群 (同じ期間中、リハビリテーションを特に実施しなかった群) と比較して、心肺運動負荷試験、6分間歩行距離、生活の質 (Quality of life: QOL) が有意に改善したことが分かりました。
加えて、90日以内の再入院率も14%から5%に減少しました。この研究で対照群には、一般的な医療と以前の活動レベルを維持するよう指示されていました。
これらの結果は、在宅での心臓リハビリテーションは機能改善やQOLを向上し、再入院のリスクを減らす可能性があることを示しています。
今後、より質の高い (エビデンスに基づいた) 在宅リハビリテーションが重要になってくると思われます。
参考文献
Chen, Y.W., Wang, C.Y., Lai, Y.H., Liao, Y.C., Wen, Y.K., Chang, S.T., …Wu, T.J. (2018) Home-based cardiac rehabilitation improves quality of life, aerobic capacity, and readmission rates in patients with chronic heart failure. Medicine, 97, e9629. doi: 10.1097/MD.0000000000009629.