アカデミック 2022.11.7
ARTICLE. 24 「脳血管障害とリハビリテーション(2)」
UMICAHI訪問看護リハビリステーションがお伝えする
在宅看護・在宅リハビリテーションを提供するうえで、役に立つかもしれない最新情報や知識を共有する「ARTICLE 」
今回テーマは「脳血管障害とリハビリテーション(2)」
近年の脳卒中リハビリテーションでは様々な最先端の機器を用いた介入が提案されています。
その一つにバーチャルリアリティ (仮想現実: VR) を用いた方法があります。
Choi & Paik (2018) は、上肢の運動を目的としたVRゲームを用いて、脳卒中既往者12名 (介入群) には火事を消したり、花に水をあげるなどのVRゲームを2週間実施し、VRゲームを実施しなかった脳卒中既往者12名 (コントロール群) と上肢や手の機能回復効果を比較しました。
その結果、VRゲームを用いた介入群ではコントロール群と比較して上肢、手の機能が有意に改善したことを示しました。
しかしながら、この研究では介入群の年齢が有意に若く、回復効果には年齢差の要因があった可能性は排除できません。
Laver et al. (2017) も、VRと従来の治療法を比較した結果、上肢機能については統計的に有意差はなかったことを報告しています。
一方で、通常の介入に加えてVRを使用した場合では、群間で統計的に有意な差がみられたとしています。
これらの結果は、VRを通常の介入の補助として使用した場合において、上肢機能および日常生活動作の改善に寄与する可能性を示しています。
参考文献
Choi, Y. H., & Paik, N. J. (2018). Mobile Game-based Virtual Reality Program for Upper Extremity Stroke Rehabilitation. Journal of Visualized Experiments, 133, 56241. doi: 10.3791/56241.
Laver, K. E., Lange, B., George, S., Deutsch, J. E., Saposnik, G., & Crotty, M. (2017) Virtual reality for stroke rehabilitation. Cochrane Database of Systematic Reviews, 11, CD008349. doi: 10.1002/14651858.CD008349.pub4.